賃貸物件に住んでいると定期的に消防設備の点検のお知らせなどが告知されます。
入居者が何かするわけではないのですが、建物全体の安全のためにもひとりひとりの協力が必要になりますので、どんなことがおこなわれているか知っておく意味は大きいでしょう。
消防設備点検の内容とはどんなものなのか、そもそも消防設備点検の義務は誰にあるのか、それらについて解説します。
賃貸物件に住むなら知っておきたい消防設備点検の内容
賃貸物件の消防設備点検の内容としては「機器点検」と「総合点検」があげられます。
機器点検とは、消火器・屋内消火栓・非常ベル・自動火災報知設備・スプリンクラー・避難はしごなどの機器があるかどうかを確認し、適切な場所に配置されているかどうか、有効期限切れなどの問題が起きていないかなどもチェックする、というものです。
そして総合点検とは、それらの機器がきちんと作動するか、なども含めた総合的な点検内容となります。
たとえば「避難はしごなど、避難経路に置かれている機器の開閉・開放ができるかどうか、避難はしごでの降下が実際にできる状態かどうか」「スプリンクラーが作動するかどうか」「防火シャッターが作動するかどうか」「自動火災報知設備がきちんと煙に反応するかどうか」などが、総合点検の内容の例としてあげられますよ。
賃貸物件の消防設備点検の義務はいったい誰にあるのか?
賃貸物件の消防設備点検の義務はいったい誰にあるのかというと、これは大家にあります。
入居者が、消防設備点検に関する「義務」を背負う心配はありません。
しかし、義務こそないものの、消防設備点検に対する「入居者の協力」は必要です。
どんな協力が必要なのかというと、ズバリ「管理のために必要な状況においての居室への立ち入りへの協力」です。
前述の「総合点検」においては、居室内の設備についても確認が必要となるため、入居者が立ち会いして、点検のための立ち入りを許可することが必要となります。
入居者は、この立ち会い・立ち入りを求められた場合、正当な理由なくそれを拒否できないと定められています。
なぜなら、安全のための消防設備点検に関する立ち入りを拒否することは「自分のわがままで、万が一の事態になった時の他の入居者の安全性までおびやかす」ということに等しい行為だからです。
正当な理由もないのに点検時の立ち入りを拒否することは規約違反となり、それを繰り返していると最悪の場合、退去勧告を受ける可能性もありますので、立ち入りを求められた場合は素直に応じるようにしましょう。